角膜クロスリンキング
円錐角膜は、角膜が薄くなり角膜中央部から下部の前方へ突出してくる原因不明の進行性の疾患です。
日本では約1万人に1人の有病率と推定されています。進行のスピードには個人差がありますが、一般的には10代で気付かないうちに発症し、徐々に進行して20代で初めて診断がつき、その後10~20年間進行が続いた後、ようやく進行が停止するという経過をたどります。軽度の円錐角膜では、視力が低下したり、見え方にゆがみが生じます。中等度までの円錐角膜はハードコンタクトレンズによって矯正できますが、重度になると角膜の突出が強くなるため物理的にハードコンタクトレンズが装用できなくなります。視力障害の状況によっては、角膜移植が必要となることがあります。
進行を少しでも抑制し、生涯良好な矯正視力を保つためには進行が速いとされる10~20代の時期に進行抑制治療を行うことが有効とされています。
角膜クロスリンキングとは、進行性の円錐角膜・角膜拡張症に対して、進行を抑制するための治療法です。
角膜リボフラビン(ビタミンB2)を点眼しながら、紫外線照射を行うもので、角膜実質のコラーゲン線維強度を高めます。それにより角膜変形が抑制され、円錐角膜の進行を抑えることが出来ます。
この治療法は現在までに世界中で20万眼以上行われ、日本では有効性と安全性が確認されています。アメリカでもFDAに承認されており、初期円錐角膜のスタンダードな治療と位置づけられています。
水戸院は、県内唯一の角膜クロスリンキングを行う施設です(2023年1月現在)。
まずは内原院の角膜外来を受診いただき、必要のある方にご案内いたします。
手術翌日と1週間後に水戸院にて定期検査を行います。
眼帯は手術翌日に外します。眼帯を外した後、日常生活は通常通り行えますが、点眼など一定期間行う必要があります。1ヶ月後に内原院の角膜外来にて定期検査を行います。
手術後は一時的に視力が低下することがあります。一般的にはその後、徐々に回復します。視力回復に要する時間には、個人差があります。
手術2日目から退院までは洗顔はタオルで拭うのみ、洗髪は介助下、入浴は首から下まで可能となります。退院後からは普段通り行えます。
手術2日目から退院までは洗顔はタオルで拭うのみ、洗髪は介助下、入浴は首から下まで可能となります。退院後からは普段通り行えます。
退院後から可能ですが、眼にゴミが入りやすい場所や、人込みに行かれる場合は、眼にゴミなどが入らないように充分に注意してください。痛みや視力の出方によって、術後しばらくはお仕事に支障が生じる場合があります。
ハード、ソフトともにコンタクトレンズは術後1ヶ月から再開可能となります。再開までは見えづらいため日常生活や仕事に十分な注意が必要であります。
基本的には術後1ヶ月から可能ですが、視力検査結果から適宜判断していきます。
手術に関する診察費用・検査費用・お薬費用が上記に含まれます。
角膜クロスリンキングは、あくまで円錐角膜の進行を抑える治療です。治療後に角膜形状や視力が改善するものではありませんのでコンタクトレンズ等での矯正は必要です。
手術後の数日間は、目がゴロゴロする、しみる、涙が出る、痛むなどの症状があります。ごく稀ですが、角膜の濁りや角膜内皮細胞に障害が起こることがあります。また円錐角膜の進行が全例で完全に抑えられるわけではなく、治療を受けても進行するケースもあります。
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