視力の低下やメガネの度数が合わなくなった場合には、屈折異常(近視、遠視、老視)などが考えられますが、視力低下の原因には目の病気がかかわっていることもあります。原因をしっかりと診断するためにも、メガネを作ったり調整する前に眼科を受診するようにしてください。その結果として、予測していなかった目の病気を早期発見することができ、目の健康を維持できることにつながります。当院では、メガネを作る必要がある患者さんには、視力検査だけではなく、その他の基本的な検査を実施して、目の状態を確認し、患者さんのお仕事や生活スタイルなどをお聞きした上でメガネの処方を行っております。
検査を実施した後に、患者さんに適した度数をご提案いたしますので、その検査結果をもって最寄りのメガネ屋さんに行ってメガネを作成するようにしてください。
コンタクトレンズ処方を行う場合、度数のあった眼鏡をお持ちであることが前提となります。眼鏡の度数が合っていない場合、まずは眼鏡処方を行い、問題なく使用できていることが確認できてから処方するかどうかを検討します。
コンタクトレンズ装用には様々なリスクを伴うので、ご本人や保護者がコンタクトレンズ装用に関するリスクを正しく理解し適切に使用できるかどうかも処方の可否に関わります。
コンタクトレンズ装用に関する理解に乏しい場合や、装用によって眼疾患増悪のリスクがある場合には本人や保護者が希望していたとしても処方は致しかねます。また、当院では小学生以下にはコンタクトレンズ処方を行っておりません。
コンタクトレンズ装用に関しては、適切な使用を行えない場合は重篤な視力障害が一生残ってしまう可能性がありますので、眼の状況によってはコンタクトレンズ処方ができないことがあります。当院はコンタクトレンズ販売店ではなく、医療機関であり処方に関する診断を行う役割であることをご理解いただきますようお願い致します。
また、度なしのカラーコンタクトレンズ処方を希望される場合は健康保険の適応ではありませんので自費(5千円)を頂戴しております。
コンタクトレンズを使用していると下記のようなトラブルが起こることがあります。
もともと上記疾患を持っていた場合はコンタクトレンズ装用によって悪化することがあります。基本的には何かしら自覚症状があるときにコンタクトレンズを装用することは望ましくありません。ドライアイの状態でコンタクトレンズを装用すると、レンズと眼表面が直接接触してこすれてしまい傷が出来てしまう恐れがあります。アレルギーによる痒みなどで眼を擦ってしまった場合、眼表面が傷ついてしまったり、感染症に罹患する可能性があります。
誤った方法で装着や取り外しをしてしまうと傷をつくる恐れがあります。また、異物が眼表面とコンタクトレンズの間に紛れ込む事で傷ができる場合もあります。
角膜感染症はコンタクトレンズ装用者は最も注意しなければなりません。コンタクトレンズ装用によって充血や痛み、眼脂の増加などあれば直ぐにコンタクトレンズ装用を中止し、眼鏡に切替えるなどして、早急に眼科受診をしてください。感染症を起こした状態でコンタクトレンズ装用を続けた場合、感染症の悪化の恐れがあります。感染が起きた場所が角膜の中央部に近い場所であった場合、視力障害が一生残ってしまう可能性があります。抗生剤に抵抗力がある耐性菌に感染した場合には角膜混濁や角膜穿孔などによって失明する可能性もあります。コンタクトレンズ装用に当たっては清潔には気をつけるようにしてください。